高2 CSコース海外研修(アメリカ)3日目
3日目を迎えました。2日目よりも出発時刻がやや遅く、少しは睡眠時間をとり、朝食もしっかりととり、出発しました。
午前中に訪れたのは、サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック株式会社です。同社は、総合システム分析機器およびバイオ関連機器、研究用試薬などの販売会社です。
会社の中に入ると、社内は最新デザインのオープンオフィスで、その雰囲気を見るだけでも、わくわくしました。
はじめに4名の女性の方々によるパネルディスカッション形式でそれぞれのキャリアパスについて話してくださいました。この記事を読んでいらっしゃる方にとっても、学びになればと思い、簡単に紹介します。
1人目はSenior Manager of Bioinformaticの方です。大学で生物学を学び始め、3年働き、大学院へ進学されました。バイオマティック(biology × Computer Science)に関する研究を扱ったこともあり、これまでの経験が今の役職に置かれて、チームを引っ張る原点だと言っていました。この仕事は、産業にも、社会にも、ヘルスケアにも、あらゆる分野に自分が貢献していることを実感しているそうです。
2人目はSenior Manager of Global Sustainabilityの方です。大学で生物学を専攻し、大学院に5年通い、その後博士としてMicrobiologyに関する研究をしていました。教員になり、研究のテクニカルに関わるサポートをしているうちに、カスタムサービスへの関心を持ったそうです。さらに、製品開発に関わることで、これまでの経験を踏まえ、環境への負担を少なく製品開発する方法を考案しているそうです。仕事内容としては、研究職として環境への影響がどれくらいある製品なのかを考案することから、顧客にどのように説明するかということまで、幅は広く扱うようです。
3人目はSenior Manager of Product Managementの方です。他の方々と同様に、生物学を学び、企業へ就職し、6年間研究職に勤め、癌細胞の研究に取り組んでいたそうです。にその後、経営学に関心を持ち、学び直し、現在はこれまでの経験を活かし、すべての製品において、責任を持って生産していると語っていました。
4人目はSenior Manager of Legal Entitlesの方です。大学で経営学を学び、その後法律も学び、看護師のための弁護士として働いていたこともあったそうです。現在はこれまでの経験を活かしながら、法人部門の一員として、たくさんの書類を扱ったり、論文の確認をするなどしながら、会社のさらなる発展に貢献しているそうです。
生徒たちからの質問にも答えてくださいました。
次に社内見学として製品の生産工程を見学しました。社外秘のため撮影が禁止だったため、生徒たちは社員の方の説明を真剣にメモをとっていました。
社内見学を終え、科学実験体験をしました。食品サンプル中のデンプンを測定する実験で、すべて英語で説明されるなかの実験でしたが、楽しく実験に取り組むことができました。





その後、昼食時間をとり、さらにもう1種類の科学体験をしました。「あなたの名前をDNAで書く」という体験です。DNA鎖が RNAに変換する過程や RNAがアミノ酸に変換する過程がありますが、アミノ酸は長い名前を持っており、科学的には3文字に略されます。たんぱく質は、一連のアミノ酸から作られており、この体験ではたんぱく質がどのように連なっているかを示すために、自分の名前をアミノ酸を使ってアクセサリーのように作っていきました。
アクセサリー完成後、集合写真を撮り、次の目的地へ向かいました。
午後は、サンフォード再生医学コンソーシアムを訪問しました。
はじめに3つのグループに分かれ、研究室の見学をしました。
細胞を高速で流しながらレーザー光を照射して、細胞の特性を測定するフローサイトメトリーや、脳腫瘍の研究の様子、新たに取り組み始めた研究である免疫療法についてご紹介いただいたり、オルガノイドを使った胎盤の研究など、専門的で難しいはずの研究内容を高校生に分かりやすく、楽しく、丁寧に話してくださいました。
研究室の見学を終え、講堂へ入り、2名の方々の研究内容やこれまでのキャリアパスについてお話をしていただきました。胎盤の研究をされている方は産婦人科の先生も経験されており、先生としての顔、そして研究者としての顔の2面を説明していただいたり、日本とアメリカとで研究者としての生活がどのように異なるか教えてくださいました。もう1名の方は、ご自身が獣医になりたいと志願し、その道へ進んだそうですが、さまざまな人生の決断とぶつかってきて、今のご自身がいらっしゃるという話や、アメリカの大学へ進学するフローを教えてくださいました。
午前中がずっと英語漬けの研修だったため、午後の日本語での研修にホッとしつつ、だからこそ深い質問をすることもでき、有意義すぎる時間を過ごしました。
その後、ショッピングセンターへ立ち寄り、夕食を購入し、ホテルへ帰着しました。
今日の振り返りタイムの中は、引率の先生方の学生時代や大学院進学に関する熱い気持ちを話す時間を挟みつつ、眠い目を擦りながら楽しく振り返ることができました。
日本では静かにおとなしく人の話を聞くことが当たり前とされていますが、英語圏では聞く姿勢として良くないことが知られています。3日目になれば、自然と人の指示や話に反応ができるようになってきていたり、ふとしたときに英語での発言を考える姿がよく見られるようになってきました。