MS通信 第12号


今回のMS通信では、科学探究の授業の様子を紹介します!

科学探究Ⅱ 高校2年CSコース

 建築学部の杉田先生による「世界のまちづくり 最前線」というテーマの講義を受けました。特徴的な世界のまちづくりについて、いくつかの都市を例に挙げて考察していきました。
 1950年代のニューヨークには、「ハイライン」と呼ばれる貨物輸送用の鉄道がありました。しかし、トラックなどの普及により廃線となりましたが、その廃線跡を整備して遊歩道として利用しています。「ランドスケープデザイン」と呼ばれる景観や土地の利用を通して、人間と自然とのかかわりを表す一つの例として成功しているものです。
 このように、使われなくなった古い建物や構造物を壊さないで、古い良さなどを残しながら別の用途に利用することを「コンバージョン」といいます。東京でも、不要になった高速道路を公園として整備する予定があるそうです。パリでは、「15分シティー政策」として、自転車で15分の距離に、住む、働く、買い物をする、健康管理をする、学ぶ、娯楽を楽しむ、という6つの施設を配置し、その小規模な地区内で生活できるように進めています。これにより、交通渋滞や長時間の通勤時間が緩和されたといいます。
 働く人の勤務場所の変更が困難ではありましたが、コロナによるリモートワークも後押しして広がりつつあるようです。また、都市のロックダウン中に自転車レーンを整備するなど、コロナの影響を逆に利用したものでもありました。
 これまでのまちづくりは、都市を大きくして効率をよくすることに重点を置いていましたが、渋滞や環境破壊などいろいろな問題も起きました。しかし、15分生活圏では、小さな町の集合体が都市になり、自転車や徒歩を中心とすることで、このような問題を緩和していこうとしています。先進国はすでにできあがったまちが、さらによくなるように、発展途上国は先進国のこのようなアイデアを生かすことが、これからのまちづくりだそうです。このような取り組みが、先進国の既成概念や法律を変えるきっかけにもなる、と杉田先生は仰っていました。生徒たちも、講義のいたるところで「なるほど」とうなずいたり、感嘆の声を上げる場面がたくさん見られました。建築学部では、「建物を建てる」だけではなく、「まちをデザインする」ということも重要であると気づいたようでした。

科学探究Ⅲ 高校3年CSコース

 看護学部の古川先生にお越しいただき、「生きている証-循環動態を知る技術」をテーマに講義を受けました。
 まずは、循環動態の仕組みについて教えていただき、「脈拍」を具体的に知り、実際に脈拍測定の方法を学び、実践をしました。
 次に「血圧」について具体的に知り、「脈拍」と「血圧」の関係性について教えていただきました。なぜ血圧測定をするのかをしっかりと考え、学んだうえで血圧測定を生徒たちはお互いに実践しました。
 実際に測定するための器具を使いながら測定できたことに、生徒たちはわくわくした様子でした。ただ、実践をするだけでなく、その意味をしっかりと学び、知ったうえで取り組むことで、生徒たちも学びを深めることができました。