SSH公開講演会 MS通信第22号

2月3日(土)に武庫川女子大学 中央キャンパス 公江記念講堂で、SSH公開講演会を行いました。

講師として宮原 ひろ子氏にお越しいただき、「太陽活動と天気との関わりに迫る」をテーマにご講演いただきました。
[プロフィール・ご経歴]
埼玉県生まれ長崎県育ち。名古屋大学理学部物理学科卒業。名古屋大学大学院理学 研究科博士課程修了。東京大学宇宙線研究所特任助教などを経て、2013年より武蔵野美術大学へ。2021年より現職。 木の年輪や堆積物の分析を通して太陽活動の歴 史を探るほか、太陽活動の気候変動への影響について研究を進めている。


 まずはじめに、宇宙気候学とは気候変動について「宇宙からの影響があるのでは?」という視点で研究を進める学問であることを教わり、その後、さまざまな角度から太陽活動についてご講演いただきました。


1. 地球の成り立ち
2. どうして気候は地球の外からの影響がないと考えられてきたのか?
    太陽活動とは「光」のことを表し、「熱」のことを表すのではない。太陽活動「光」が陸にあたることによって、「熱」が発生している。
3. 地層からみつかった太陽と気候の関係性
    12000年前〜現在の太陽と気候の関係性に関するデータがなんとなく一致していることがわかっている。
4. 太陽ってどんな星?
    黒点にみる太陽活動の変動 → まだ解明されていない謎がたくさん!
5. 太陽フレアって何?
    太陽フレアによってオーロラが発生する。12月2日北海道で低緯度オーロラが発生したことの紹介や、太陽フレアの説明やどのような影響があるのか紹介がありました。
6. 太陽の活動が弱まると地球はどうなるのか?
    1650〜1710年代に国展が消えた時代があったため、それを元に考察することができる。
7. 昔の太陽活動を調べるためには?また活動していた年代の調べ方は?
    ・宇宙から飛んでくる放射線の中にある同位体を調べる
    ・南極氷床
    ・樹木年輪
8. 気温の低下の分布について
    太陽活動が著しく弱まった時代は、気温が2℃下がっていた記録がある。
9. その他に、まだ解明されていないが、
    太陽活動が地球に影響を及ぼす鍵となるのは、雲かもしれないという仮説を立てて研究を進めていたり、
    日々の天気に太陽は影響しているのか?という問いを立てて研究を進めている。

ご講演の後、質疑応答の時間には、武蔵野美術大学のOBの方からご質問があったり、生徒からもたくさんの質問がありました。
生徒の質問に対して、生徒にわかりやすく、丁寧に答えてくださいました。

宮原先生、この日のために遠方からお越しいただき、貴重なご講演をくださいまして、ありがとうございました。