高校2年MSツアーへ行ってきました!MS通信第20号
1月26日(金)に高校2年生創造グローバルコースの生徒たちは、MSツアーとして探究活動のテーマ別に校外研修へ行ってきました。その様子を紹介します!
校外研修の目的
創造グローバルコースでは、探究活動のテーマとして持続可能な開発目標(SDGs)17のゴールを6つの分野に分け、生徒が関心を持つ内容について、学びを深める活動に取り組んでいます。6つの分野とは、「食糧問題」、「エネルギー」、「ライフサイエンス」、「住み続けられる街づくり」、「環境問題」、「先端技術」としており、今回はそれぞれの分野に沿った校外学習を実施しました。
食糧問題
(1) 明舞団地〜アサヒ飲料〜㈱パソナグループ
明舞団地では、無縁社会問題を抱える高齢化団地において、高齢者の健康的な食生活の維持が困難となるフードデザート問題が生じています。その問題解決に奮闘している明舞ひまわりの事例に触れ、実際に団地を巡ることで、より学びを深めました。官民一体となり、食の視点から、特に高齢者の生活を支えるということを学ぶことができました。
アサヒ飲料の工場では、工場見学の後、徹底した衛生管理手法に関する解説を受けることにより食の安全や安心について考えました。カラダカルピスなどの機能性表示食品に分類される健康飲料も学び、身近にある飲み物も健康を考えて作られているということ、そして歴史は古くからあり、私たちの生活を今でも支えているということを知り、改めて普段から自分たちが口にするものに対して気を配っていく必要があると感じていました。また、ビール酵母からエビオス錠を生み出した課程の説明なども受けました。
パソナグループの社員の方からは、淡路島の地元食材をどのように活かして発信しているのかを中心に講義を受けました。淡路島に移住をして働いている方が多くいらっしゃり、農業という観点でまちを盛り上げており、結果として淡路島へ移住により入ってこられる方が出て行かれる人数よりも多くなり、人口が増えているということも学ぶことができました。積極的に講義に参加する様子も見られました。その後は、のじまスコーラという学校の跡地を利用した観光施設の見学も行きました。
(2) 公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス〜マクドナルド
午前中は神戸ハウス ドナルド・マクドナルド・ハウスで研修をしました。
ドナルド・マクドナルドハウスとは、病気の子どもとそのご家族が利用できる滞在施設です。入院している子どもとその家族がよりよい生活をおくれるようにサポートしている施設となっています。研修のはじめにマクドナルドハウスの説明、スタッフの方々の紹介、そして生徒たちの自己紹介をしました。その後、場が和んできたところで、12名の生徒は3つの班に分かれ、
・共有スペース(キッチン)の清掃 ・滞在スペースの清掃 ・共有スペースの消毒作業に取り組みました。
その後、スタッフの方々に改めてマクドナルドハウスの紹介をしていただき、スタッフの方のご経験を伺い、利用者の方々のアンケートもあわせて、生徒たちは読ませていただくことができました。大切なお子様の闘病生活の間、ご家族がどんな想いをしながら、このマクドナルドハウスを利用しているのか、自分たちの些細なボランティア活動が、どれだけ人のためになるのかを生徒たちは感じることができました。生徒たちは一人ずつ感想を述べるなかで、思い思いに語ることができました。
「お子様の闘病生活が心配で、どんな気持ちで滞在されていたのかと想像するだけで….」と涙する生徒、「自分はこんな重症だったわけではないが、2泊3日の入院をしたことがあり、両親がどんな気持ちだったのかな?と、今さらながら想像することができ、自分がどれだけ両親に大切にされているかが分かった」「ボランティアというと、大変なイメージがあるが、お掃除をすることがこうして誰かの幸せに繋がるならば、これからも自分にできるボランティアを探したい」など、想いを共有しました。
午後はマクドナルド山手幹線尼崎店で研修をしました。まずは「マクドナルドとSDGs」というテーマで、講義をしていただきました。マクドナルドの商品パッケージに、さまざまなロゴマークがついており、いずれも自然環境保全に関わるものであること、マクドナルドがSDGsに配慮したものを利用していることを教わりました。その他にも、使わなくなったおもちゃをリサイクルし、トレイを作っていることを含め、さまざまな取り組みの紹介をしていただきました。次に実際に店舗のキッチンに入らせてもらいました。安全な食品を提供するために、身だしなみを整え、衣類の埃やゴミも取り、こまめな手洗いをしたうえで、キッチンに入りました。マクドナルドがどのようにフードロス削減を意識しながら、あたたかくておいしい商品を提供しているのかを間近で見学することができました。また、実際にハンバーガーを作らせていただいたり、揚げたてのポテトと10分ほど置いたポテトのうま味の違いも比べさせてもらいました。最後に午後の店舗実習の振り返りと一人一つ質問をスタッフの方々に投げかけさせていただき、さらにマクドナルドの取り組みや企業理念の理解を深めました。
住み続けられる街づくり
㈱パソナグループ〜アサヒ飲料
はじめに、パソナの社員の方から、地方創生(雇用創出・観光・農業)に関する講義をうけ、街づくりに関わる研修を実施しました。パソナが行った、民間主導による街作りをテーマに講義を受け、地域活性化手法を学ぶこともできました。その後は、のじまスコーラという学校の跡地を利用した観光施設の見学も行い、実際の施設がどのような目的で再利用されるに至ったのかを知りました。
また、アサヒ飲料では、工場見学を行い、使い捨てプラスティック削減を目的に取り組んでいる様々な活動について学んだ。廃材ゼロを達成しているアサヒの工場の仕組みについて知り、見学後は積極的な質疑応答も行われました。
環 境
ホクト株式会社 (多気クリスタルタウン工業ゾーン内)〜ヴィソン
ホクト株式会社では、環境に配慮した会社の取り組みである、通い箱の導入、きのこ収穫後の培地の再利用、省資源パッケージの採用などについて会社の方より講義を受け、実際に工場見学を実施しました。
また、ヴィソンにおいては、サーキュラーコミュニティを切り口に循環型ライフスタイルの実践を学ぶため、実際に園内を回って園内資源循環の仕組みを探しました。
今回ヴィソンで研修を行った理由は、武庫川女子大学が、大学としてはじめてヴィソンのある多気町と包括連携を結んだ場だったからです。また、ヴィソンはSDGsの観点で行われているまちづくりとして、大変力を入れている場所であるため、この場所を研修場所として選定しました。
「エネルギー・先端技術」「ライフサイエンス」
アサヒ飲料〜明舞団地
アサヒ飲料の工場では、バイオマスエネルギーの理解を深める説明を聞き、実際に工場見学をすることで理解を深めました。アサヒ飲料が先端技術によって行っているエネルギー面での省エネルギー化という部分を、実際の工場ではどのような形で実現しているのかという学びを得ることができました。
また、明舞団地では、家を中心としてエネルギーを作ることとエネルギーを減らすことを同時に実現する仕組みについて学び、さらに、実際に街を見学することでより知識を深めることができました。