中学3年サイエンスツアー MS通信 第13号

3日目

中学3年生サイエンスツアー最終日となりました。
昨日の夜は、JAMSTECの木戸ゆかり先生から、地球深部探査船「ちきゅう」や有人潜水調査船「しんかい6500」、無人探査機など研究についてのお話や海に関係するお仕事に就かれている女性のネットワークのことなど、盛りだくさんの内容で講義をしていただきました。また、講義の前には代表班が2日間で学んたことを木戸先生に報告する時間も取ることができ、報告に対するお話もしていただくことができました。
盛りだくさんの内容で、生徒たちはたくさんの質問もすることができました。中でも大切なこととしてお話いただいた「事前の安全確認」「イメージ拡大」「コミュニケーション」「優先順位付け」「バックアップツールの用意」というのは、海での仕事だから、大人だからなど関係なく、どの分野で活躍するにおいても大切なことですので、今から意識して過ごしていこうと思いました。研究に関すること以外にもにも船上での生活や世界各国から集まる方々との話題などクイズなども交えながら時間いっぱい、お話を伺うことができました。
最終日は、神奈川県立生命の星・地球博物館とJAXA相模原キャンパスに行きました。
神奈川県立生命の星・地球博物館では、最初に博物館にまつわるお話をしていただいたき、その後班ごとに館内を見学しました。館内はとても広く、約1万点の展示物があり、地球の歴史から昨今の環境問題まで多くのことを考えることができる展示になっていました。特に化石などは触れるものが多く、また、展示の中では「この現象はなぜ起こるのか考えて見ましょう」という問いかけもあり、目で見るだけでなく手で触れ、感じ、考えることができるつくりになっていました。
最後に訪れたJAXA相模原キャンパスでは、はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウのサンプルや実際のロケットなどを見学することができました。館内にロケット専門の方がおり、その方に質問をしたり、サンプルの観察をしたりと充実した時間を過ごすことができました。中には時間が足りない!と言う生徒もおり、最後の最後までしっかりと研修を行うことができました。
JAXA相模原キャンパスからバスで新横浜に向かい、無事に帰路へとつきました。
天候により、全て予定通りというわけではありませんでしたが、中学3年生のサイエンスツアーを終えることができました。
この3年間、様々なことがあり、全て予定通りということはありませんでしたが、数多くの方々と出会い、多くのことを吸収し、成長することができました。
サイエンスツアーで経験したことを忘れずに、残りの中学校生活でさらに成長し、高校へと繋げていきたいと思います。

2日目

サイエンスツアー2日目の今日は、山梨県富士山世界遺産センターと山梨県富士山科学研究所を訪れました。
富士山世界遺産センターでは、信仰の対象であるとともに、芸術の源泉として、日本人の自然観や日本文化に大きな影響を与え、2013年6月に「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の名称で世界文化遺産に登録された富士山について学びました。世界遺産センターでは、展示だけでなく、富士山の麓から山頂まで様々なルートで上がる映像など、様々なものから信仰の対象としての富士山や、その植生などを学べるようになっており、生徒たちは係の方にたくさん質問しながら、思い思いに施設を見学することができました。
世界遺産センターを出た後は、山梨県富士山科学研究所を訪れました。この研究所は標高約1000mの富士山の麓にあり、数多くの研究者の方が様々な角度から富士山の研究をされています。
当初の予定では午前に自然観察などを行う予定でしたが、昨晩から雨が降っていた関係で、室内での活動になりました。室内では富士山の植生について、高度ごとにその特徴などをわかりやすくお話してくださったり、アルソミトラの種の模型をつくったりしました。
午後からは、「噴火現象を知る」、「宇宙から見る富士山」をテーマに講義をしたいただきました。
富士山にはたくさんの火山口があることや、数十年の環境の変化など、今まで知らなかったことをたくさん学ぶことができました。
特に、噴火現象については、講師の方々とともに自分たちで、実験的に噴火現象を再現したり、溶岩に見立てたシャンプーを立体地図に流し、溶岩の流れを確認したことで、噴火が実際に起こったときにどのような行動をすべきかを考えることができました。
ホテルに到着後は、本日のレポートを作成し、JAMSTECの木戸ゆかりさんの講義を受けます。
濃密な1日ですが、最後まで気を抜かず、元気に過ごしたいと思います。

1日目

中学3年生CSコースは、8月8日から10日の日程でサイエンスツアーに来ています。
今年は、私たちを取り巻く地球を科学するをテーマに静岡、山梨、神奈川を巡ります。
初日の今日は、明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録されている韮山反射炉と沼津港深海水族館を訪れました。
韮山反射炉は、実際に稼働した反射炉(金属を溶かし大砲などを鋳造するための溶解炉)として、国内で唯一現存するものです。
今回私たちは、ガイドさんの解説のもと韮山反射炉を見学しました。ガイドさんには、実際の反射炉の仕組みだけでなく、歴史なども含めて色々と教えていただくことができました。大きな反射炉や実際の大砲を目の前に、生徒たちは真剣にガイドさんの話を聞き、質問をしていました。特に、中学1年生のときにはサイエンスツアーで和鋼博物館を訪れ、たたら製鉄について学んでいたため、製鉄の技術史についてより深く学び、考えることができました。
韮山反射炉を後にし、次は沼津港深海水族館を訪れました。沼津港深海水族館では、世界でも希少なシーラカンスの冷凍個体などを見学することができました。
駿河湾沿いであるということを活かし、深海生物に特化した水族館で、普段なかなか目にすることができない深海生物を見学することができました。シーラカンスはもちろんですが、同じ種類の生物を浅い海と深海で比較展示しているコーナーや古代ザメ「ラブカ」の剥製など、数多くの展示に触れ、深海の神秘を感じることができました。
夜の報告会では、質問も数多く飛び交い、とても有意義な時間を過ごすことができました。