令和5年度 第3学期 始業式

校長先生のお話

 新年早々、日本はまたもや大きな災害に見舞われました。
 1月1日16時6分、能登半島地震が発生し最大震度7を観測しました。死者168人を数え、安否不明者は3百人以上、避難者約2万8千人、孤立集落に居住し救援物資も届かない状況にある人は約3千3百人という状況がいまだに続いていると聞きます。犠牲者そして被災者の皆様に、心から哀悼とお見舞いの気持ちをお送りしたいと思います。

 ここで、改めて阪神・淡路大震災について触れておきたいと思います。29年前の平成7年1月17日午前5時46分に、6434人もの命を奪った大震災が、阪神・淡路地区を襲いました。ここ西宮市でも1千人を超える犠牲者が出ました。その瞬間、この地域の街並みは一変しました。
  本校は、激震地区の東端に位置していました。生徒・職員には犠牲者が出ませんでしたが、被災した家は500軒以上、大切なご家族を失った人も10人を上回りました。校舎の倒壊は免れたものの、グランドと校舎の至る所に亀裂が走ったと記録されています。また、給水と排水の設備が壊滅的打撃を受けました。何とか授業が再開されたのが、約一月後の2月13日だったそうです。皆さんには、当時の直接の経験はありません。でも、ご家族から当時のことを教えてもらった人は多いでしょう。書物やニュース等でいろんなことを知った人も多いと思います。

 今年の能登半島地震の痛ましい被害状況を知るにつけ、阪神地域で学ぶ私たちは、決して人ごととして見ることはできないと思います。
 震災という辛く悲しく恐ろしい出来事が発生したという事実。近い将来、必ず発生すると言われている大地震に備える、防災・減災の大切さ。そして、人の命の尊さと、人の心の温かさ。

 私たちは、大切な経験を、こうして区切り区切りに確認することによって、次の世代、別の地域へと継承することができるのだと思います。そして、こうした区切り区切りの確認作業は、着実に皆さんを成長させることにもなると思います。
いろいろな意味で、皆さんがそれぞれ成長できる1年になることを期待しています。
以上、3学期始業式の言葉とします。

黙祷

29年前の阪神淡路大震災、そして今年の1月1日に発生した令和6年能登半島地震をはじめとした多くの自然災害で犠牲になられた方のご冥福を祈って、全校生徒・教職員・職員一堂で、黙祷を捧げました。

生徒代表の挨拶  羽根 美夢希

 年が改まり、寒さも一段と厳しくなって参りました。元日から大きな災害や事故が立て続けに起きてしまいましたが、私たちはこのような時にこそ、助け合わなければならないと感じております。3学期は、次の学年に上がるための土台となる学期です。高校3年生にとりましては、この学校で過ごす最後の学期となります。
 残り少ない高校生活を大切に過ごし、それぞれの将来に向け、日々努力して参ります。
 校長先生をはじめ諸先生方、今学期もご指導のほど宜しくお願い申し上げます。