平成7年高校卒業記念植樹はサンシュユ
23年前の今日、午前5時46分に大地震が発生しました。23年前の記録を見ながら色々なことを思い出しました。
学校は1月21日まで臨時休校を決定。6人の先生方の家屋が全壊、兵庫に住む先生方に被害が多かったので、生徒からの連絡を受ける係を被害が少なかった大阪に住む先生方で各学年決めました。先生が全員で生徒への電話連絡、家庭訪問、避難所訪問等を行い、生徒の被害の状況把握に努め、最後の一人の生徒の生存確認ができたのは1月30日でした。生徒の死亡者はいませんでした! ただ、生徒60人の家屋が全壊となり、13人の生徒のみなさんが最愛のご家族を亡くされました。ここに謹んで哀悼の意を表させていただきます。
神戸と西宮をつなぐ鉄道が動かず、十分な交通機関の回復ができていませんでしたので、学校が再開されたのは2月13日、始業時間は9時30分、午前中のHR、全校集会、HRで終礼、午前中で終わりましたが、教員と生徒が協力して再開にこぎつけた日でした。
卒業生や被害の少なかった生徒さんから制服学用品等の寄付の申し出も多くありました。職員室がある建物の3階のロビーに寄付していただいた品物を並べ、制服など体に合うものがあれば、被災した生徒に持って帰ってもらいました。校章やブローチは、先生方全員に机の引き出しの中などを探してもらい集めました。
多くの方からお心のこもったお見舞いも頂きました。被災された方々のために有意義に使わせていただきました。本当にありがとうございました。
震災のため学校が休校している間、本校の生徒、およそ200名が被災者のボランティア活動に飛び込んでいきました。活動に参加した生徒の言葉の一部ですが紹介させていただきます。(学年は当時の学年です)
・中1の水田さん(水くみ、水の配布のボランティア)
「やってあげている」みたいな満足感をもってボランティアをやっている人たちは、本当に人を助けることはできないと思う。今までの生活は当たり前じゃないことがわかった。
・高1の吉川さん(トイレ掃除、炊き出しのボランティア)
今回のことでたくさんの人と知り合うことができた。父に「やってあげている」のではなく、自分の勉強のために「やらせてもらっている」と思いなさい、と言われたが本当にそう思った。
震災があった平成7年の高校卒業式は3月8日。卒業生の記念植樹を3月4日にしました。当時の高校3年生を担当された学年団の先生方の多くが退職されましたが、2名の先生が現在も教えておられます。職員室で「卒業記念植樹はどこで行いましたか?」とお聞きすると「前庭の銅像の近くのサンシュユの木です」とすぐに教えていただきました。
退職された先生のお一人が、生徒に配布している学校新聞に書き残された言葉があります。
「高校生活最後の華やかであるはずのこの時期の『震災』。この日々を思い返しつつ、卒業を迎えられた喜びを大切に歩め」