新しい価値が求められるこれからの時代を生きる生徒に、未来を切り拓いていく力をつける教育を実践することーそれは、地球規模での課題に目を向け、未来世代への提言を目指し、持続可能な社会の実現に貢献できる生徒を育成することです。そのために、本校では(1)~(7)の具体的な教育活動を展開していきます。

(1) 特色ある2コース制

これからの時代を生き抜くことのできる力を培うために、2024年度(令和6年度)から次の新しい2つのコースを設置します。
各コースの教育活動についてはこちらをご覧ください。2023年度(令和5年度)までの2コース制についてはこちらをご覧ください。

SOAR 探究コース
~探究的学びを通して武庫女からはばたく!~

中・高を通して、地元(鳴尾地区・西宮市・兵庫県)の各機関や武庫川女子大学と連携し、探究的な活動に取り組む。「本物」と直接触れることを重視し、この体験から、将来のあるべき自分を見つけていきます。

SOAR グローバルサイエンスコース
~専門的な学びを深めて世界へはばたく!~

これまでのSSHの活動を継承し、科学的立場に立った探究的な活動に取り組み、グローバルリーダーとして、どの分野でも活躍できる女性の育成を目指します。国際感覚を身につけるべく、英語力の向上はもちろんのこと、異文化への理解を深めます。

探究のプロセスと身につける6つの力


(2) 基礎学力の定着と発展学習への取り組み

中高大一貫教育の方針のもと、大学の附属校として大学での高度な学びの基礎となる「確かな学力」を身につけるために、基本的な知識・技能を身につけるとともに、自ら考え、学び、答えを発見するまでの探究型の学力を養い、全人格的な教育を充実させることを目標とします。生徒の学力が、理論的・知識的な面のみに偏らず、実生活にも役立ち、実用的・実学的なものとして活かされるように工夫していきます。
附属中高内の教育活動でとどまらず、総合的な探究の時間を通じて高大接続を図ったり、高校2年で大学の教員による「出張講義」、高校3年で大学の講義を受講する「先取り履修」を実施しています。また、進学予定の学部・学科ごとの「入学前教育」も実施しています。
生徒一人ひとりが自分の適正、能力を正しく理解し、それぞれにふさわしい進路の選択ができる能力を育成するために、総合的な探究の時間を通じてキャリア教育も実施します。(武庫川学院SOARプログラムについてはこちらをご覧ください。)

(3) 読書活動

身近なところにいつも本があり、読書を通じてどんどん新しい世界を手に入れている知性豊かな武庫女生になることを目標に、「読書習慣」をつけるさまざまな取り組みを行っています。図書室には6万冊を超える蔵書を保有している上に、大学の図書館も利用できるようになっており、レファレンス協議会のデータベースにアクセスすることもできます。新聞も各紙を取りそろえて、生徒が本や新聞を読む環境の整備に取り組んでいます。

「武庫川タイム」

授業前に読書時間を確保し、心を落ち着けて読書に臨むことができます。

「武庫川女子大学附属中高の100冊」

本校が指定する「100冊の本の紹介」があります。本を読む順番は関係なく、自分の好きな順番に読書を進めることができます。本を読み終えたら記録するスペースもあります。この冊子は、入学当初、国語の初回の授業で「図書室のガイダンス」時に配布されます。

中学校全校読書会

図書情報委員を中心に、中学生全員が、学年やクラスの枠を超えて32の会場に分かれ、意見交換をします。普段は関わりのない先輩、後輩、先生とも同じ一冊の本を読んだ者として交流します。

(4) 国際理解教育

チャットルーム・外国の行事を体験する 異文化セミナー

日常の学校生活において、気軽に英語で話す機会を提供するために、外国人講師によるチャットルーム、外国の行事を体験する異文化セミナーやクリスマス行事を実施しています。



English Camp・English Workshop

夏季休暇中には中学3学年を対象とし、学内の施設である丹嶺学苑研修センターで実施するEnglish Campがあります。また、高校生を対象とし、校内で実施するEnglish Workshopもあります。



武庫川学院オラトリカルコンテスト

大学との連携事業として、1985年(昭和60年)より開催された「中高大英語暗唱大会」を2005年(平成17年)より「中高大オラトリカルコンテスト」と改称して実施しています。中高では全員参加の予選を経て、学年代表を選抜していきます。発表を通じて英語力、人間力を身につけ、世界に羽ばたく人材を育てます。



グローバル研修・本校の留学制度

中学2年・3年を対象に、隔年で行き先を変えて「タイ」と「アメリカ」への研修を実施しています。
高校1年〜3年を対象に、隔年で行き先を変えて「オーストラリア」と「北欧」への研修を実施予定です。6か国7校の教育提携校との短期交換留学や長期留学の実績があります。中高大一貫校だからこそ、受験勉強を気にせず、長期留学へ行くことができるのも、本校の魅力のうちのひとつです。さらに、2015年(平成27年)より始まったグローバル人材の育成を目的とする、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム【高校生コース】」に応募することを奨励しており、この制度を通じて既に10名が留学しました。その他詳しくはこちらをご覧ください。
左の絵は、通年で本校が国際交流を行う時期が一目でわかるものです。



オンライン英会話

英語の授業を通じて、全学年でオンライン英会話を導入しています。生徒一人ひとりに外国人講師がついて英会話をすることで個々の能力に応じたレベルアップができます。生徒たちも自分の成長を感じながら英語力を伸ばしていきます。6年間のオンライン英会話活用計画について、こちらをご覧ください。

 

(5) 情報教育とICT教育

情報教育については、高校での必修科目「情報Ⅰ」や「データサイエンス」に加えて、中学でも「総合的な学習の時間」の一分野として「データサイエンス」の時間を設け、生徒の興味付けからICT技術の進展にも対応できる能力の育成を図っていきます。
ICT教育については、全ての普通教室に電子黒板、無線LAN、ビデオカメラの設備を備え、生徒全員にタブレット型コンピュータ(iPad)を所持させています。この環境により、オンラインによる授業展開が可能となっています。
また、各教室にApple TVがあり、タブレット型コンピュータとの接続がしやすく、生徒がアウトプットする授業もできる環境が整っています。その他にも、図書館棟の1階CAI教室には約120台、3階LL教室には96台のデスクトップパソコンを設置しています(内60台はiMac)。また、教員に向けてICT研修を活発に行い、最新の視聴覚機器やタブレット端末、デジタル教科書などICTを活用した授業を推進していきます。

(6)芸術鑑賞会・講演会の開催

本校では、年に1度、真の芸術を全員で触れる機会として「芸術鑑賞会」を実施しています。
・令和 5年度 パーカッションパフォーマンス Beat JACKによる世界の楽器を使った音楽鑑賞
・令和 4年度 「能:高砂」と「狂言:附子」を鑑賞・代表生徒による能楽に使う楽器の体験
・令和 3年度 感染症に配慮し、実施せず
・令和 2年度 新型コロナ感染拡大により中止
・令和元年度 劇団赤鬼による「キャンディ遊園地」を鑑賞
・平成30年度 民族楽器の演奏から国際理解を深める「遙かなる大陸の旅」を鑑賞
・平成29年度 沢木順氏を中心とする元劇団四季の団員5人による「The Greatest Musicals11」を鑑賞
・平成28年度 日本の伝統話芸「落語」を鑑賞(出演:桂ざこば氏、桂米團治氏、桂ちょうば氏)
・平成27年度 「知覧のさくら」を鑑賞

(7)武庫川学院音楽教室

本校の音楽教室は学院創設者、公江喜市郎先生が「質のよい音楽に触れ、自らも演奏し、音楽を通して善美な情操を育むように」と創設されました。ピアノ、声楽、弦、ソルフェージュの分野があり、さらにコースに分かれています。主に武庫川女子大学音楽学部・専攻科を優秀な成績で卒業した先生方(二期会や演奏者、伴奏者、指導者として活躍しながら講師をされています)の指導を受け、武庫川女子大学音楽学部の教授・准教授等の高い指導も受けることが出来るシステムとなっています。将来音楽家を目指す人、教育者を目指す人にとっても大変価値があり、中・高のキャンパスの中で安心安全に学ぶことができます。