「校祖の日」~理想を高く仰ぎ、大地に足を踏みしめ、感謝の念を以て~

武庫川学院の生みの親であり、育ての親でもあった校祖・公江喜市郎先生は、1981年9月6日にご逝去されました。その1ヶ月後の10月6日に「学院葬」が行われ、武庫川学院ではその日を「校祖の日」と定め、先生の偉業や成徳を偲ぶ日としています。
公江先生がご逝去されて41年が経つ今、武庫川学院は日本一の女子総合学院にまで発展しました。*鳴松会員も19万人を超え、日本の人口のおよそ500分の1の確率で、武庫川学院の卒業生がいるほどです。(*鳴松会とは、武庫川学院の同窓会組織です)
公江先生が掲げられた「高い知性、善美な情操、高雅な徳性」の立学の精神を具現化するために、これからも一層努力してまいります。

附属中高は、この「校祖の日」に放送部が制作した記録映画を放映し、全校生徒で鑑賞しました。高校3年生は、この映像を見るのも3度目または6度目になりますが、年々映像を見て感じることが変わってゆくことを実感するのも、生徒たちにとっては自身の成長に気が付く機会にもなります。

世良田校長先生が公江先生の偉業や武庫川学院の歴史を生徒たちに伝え、最後に教職員、生徒全員で黙祷をして公江先生のご冥福をお祈りしました。

校長先生のお話の中では、公江先生のお言葉も紹介されました。
「私は学舎に高い塔を建てた。この意味は理想を高く仰ぎ、しかも常に大地に足を踏みしめ、校門の出入りには、感謝の念を以て一礼して通ることを期待しているのだ。若い生命は常に希望に燃えていなければならない。学校が学生・生徒を教育するのは、明日の社会を背負う人物を育てることにある。現実をよく踏まえて、理想を高く掲げることは成年男女いずれにも望まれるところである。その反面見落としがちなのは、あらゆるものに対する感謝の念である。この学園に学ぶことの幸福を思い、今日一日楽しく勉強できたことを感謝して、校門を去ってもらいたい。こういう気持ちから、私は理想の姿をこの塔にもとめたのである。」

〜附属中高(浜甲子園キャンパス)の前庭では、公江先生の胸像がずっとこの時計塔を見上げ続けています〜

また、もう一つ公江先生のお言葉を紹介します。
 「武庫川学院の校庭に植えてある樹木については、私が一木一草にいたるまで、自分の目で確かめて購入している。最初は樹木一本とてない状態であったので、これではいけない、緑の学園こそ本校のごとき女子の学園には最もふさわしいものであると信じて、私は今日まで機会あるごとに、学園の緑化について努力を傾けてきた。」
本校は緑がいっぱいで、鳥や虫の訪問が多いですが、公江先生の想いが溢れているこの学舎で、学校生活を送ることに感謝をしながら毎日を楽しく過ごしましょう。