「無理をしないこと、相手に伝えること、自分を大事にすること」
~「空飛ぶライオン」のお話をヒントに~


みなさんは、なにかに頑張りすぎたり、相手のために一生懸命になりすぎて、疲れたことはないですか?
相手にわかってもらえなくて、どうしていいかわからなくなったことはないですか?
今回は、『空飛ぶライオン』(佐野洋子作・講談社)のお話をヒントにそのような時どうしたらいいかお話します。

ライオンと猫は親戚だったので一緒に暮らしていました。ライオンは猫のために、空を飛んで獲物をとって、ごちそうします。猫たちは「さすがライオンだ」と大喜び。ある時ライオンは「ぼくの趣味は昼寝でね」と言います。しかし、猫たちは「ライオンは、料理も冗談も一流だね」と笑います。ライオンも一緒に笑いました。その後も「昼寝がしたいんだ」と言っても、猫は笑い転げました。ライオンは一緒に笑い、またえさを取りに空に飛びました。しかし、その夜ライオンは「疲れた」と泣きました。ある日、ライオンは起き上がることができませんでした。猫は「冗談で昼寝をしてるのかと思った」というので、ライオンはまた飛び上がろうとします。でも、ライオンは倒れてしまいました。猫は「昼寝が趣味って言ってたね・・・」と淋しそうに語ります。ライオンはずっと石になったまま動かなくなっていました。

みなさんは、ライオンみたいに、頑張りすぎていませんか?「昼寝(休憩)が趣味」と言っても「冗談」と言われたら、
「本当にそうなんだよ」といえず、相手の期待にこたえようとして、無理していませんか?
ライオンのように頑張りすぎて、動けなくなることはありませんか? 本当にしんどい時、つらい時、苦しい時は、
「今は休憩して、また頑張りたい」と言ってみてもいいと思います。

そして、ライオンは、長い間眠っていると「それが本当の姿」と誤解されることもありました。本当は違うのに、とてもつらいことだと思います。でも、「前は頑張ってたんだよ」と本当の姿をわかってくれる人が出てきました。その時初めて、ライオンはまた起きることができました!みなさんも、「誰もわかってくれない」「どうしようもない」と思う時もあるかもしれませんが、あきらめずにいたら、そういう出会いがあると思います。

また、この出会いをライオン自身のこころの声としてとらえることもできます。自分が寝ていたら、「さぼっている」と自分で思ってしまいますが、「いや、頑張りすぎてた。それで休んでいるんだ」と自分で思えると、自分で自分を許せたり、自分を励ましたりすることができると思います。
「喜怒哀楽」という言葉があるように、人は生きていたら、楽しいことや嬉しいことだけでなく、怒りたいこと悲しいこと、辛いこともたくさんあると思います。その時、ライオンのように、あきらめないでわかってくれる人に出会えるのを信じてみてください。そして、心の中で「自分はだめだ」「さぼってる」と決めつけるのではなく、「頑張りすぎてしんどくなったのかも」「今は休憩してエネルギーを蓄えたら、頑張ろう」と自分を大事にしてくださいね。
そうしていると、また、心の中にエネルギーがわいてきて、前に進めることもあると思います。もし、どうしても、前に進めなかったり、自分を大事にすることができなくなったら、カウンセリングルームを利用してくださいね。

★カウンセリングルームへの申込方法(くわしくはパンフレットを見てください)
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