『コロナ禍の乗り越え方について』
~自分の物語を創ってみよう~
「新しい学年になったら、〇〇に挑戦したいと思ってたのに」「好きなイベントを楽しみに頑張ろうと思ってたのに」「大会を目指して頑張ってたのに」・・・とせっかく楽しみにしていたのに、頑張ろうと思っていたのに、それが中止や延期になったり、この先どうなるかわからなくて、とても悲しい気持ちや悔しい気持ちになっている人も多いのではないでしょうか。
先日NHKのニュースに多和田葉子さんという作家が出ていました。多和田さんは一昨年全米図書賞を受賞し、ノーベル文学賞にも近いと言われている人です。多和田さんは、「新型コロナウイルスに関しては自然科学がすごく 重要じゃないですか」「私たちはそこから『自分がどういうふうに生きていきたいのか』を引き出すことはできない。でもそういういくつもの事実を紡ぎ合わせて一つの物語をつくっていく。人間は物語なしには生きていけない」と言われていました。また、『博士の愛した数式』などの著者である小川洋子さんは、アウシュビッツに行って恐ろしい思いをした後、「自分はやっぱり小説を書かないと生きていけないと思いました」と言われています(『生きることは、自分の物語をつくること』から 小川洋子・河合隼雄 著 新潮文庫)。
私たちは今コロナ禍という、今までにない体験をしています。感染したらどうしようという不安や恐怖、我慢しないといけないことや苦しいこと、どうしたらいいかわからないことなど、たくさんあると思います。
今、そのいう中だからこそ、自分の物語を創ってみませんか?
自分を主人公にしてもいいですし、架空の人を主人公にしてもいいと思います。
もし、言葉が浮かんでこなかったら、絵画・音楽などの芸術や、料理・手芸や体を動かすこと、などを通して、自分を表現することもできます。『博士の愛した数式』では数字で表現していました。自分の中から表現が見つからなくても、物語を読んだり、音楽の歌詞を聴いたり、絵画に感動したり、体を動かすことで心身にフィットしたり、こころが揺さぶられる体験がとても大事です。
何か浮かんでくるものをイメージしたり、表現したりすることで、私たちの物語が生まれると思います。
「今、こんなことを感じている。もっと~なれたら・・・」と表現していくうちに、新たな考えや可能性がひらけてくることもあると思います。それは、大変であればあるほど、暗ければ暗いほど、光が見えることがあります。
今は苦しい気持ちや暗い気持ちになることもあるかもしれないですが、自分で表現できるものを重ねていくことで、自分の物語をつくってみませんか?
自分のつくった物語は、自分だけのかけがえのないもので、このコロナ禍を生きていく上で、自分を支えるものになると思います。
もし、いろいろ試してみても、うまくいかなかったら、カウンセリングルームに来てください。お電話でもお話できます。
一緒に今を乗り越えていきましょう。
★カウンセリングルームへの申込方法(くわしくはパンフレットを見てください)
カウンセリングルーム1(科学館1階)の掲示板にある「面接予約表」を見て来られる日時に○印をつけてください。
担任の先生を通して、申し込んでもらうことも可能です。
*相談場所 カウンセリングルーム1(科学館1階) カウンセリングルーム2・3(記念体育館1階)
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★学校が始まりますが、少しずつ無理のない範囲でやっていきましょうね!