学校長メッセージ

生徒のみなさんへのメッセージです。ご覧ください。

今年の桜は我慢して次に備えよう

時(とき)疫(のえ)に白きマスクや花曇り  
陽子

令和2年度のスタートはかって経験したことのない始まりとなりました。3月に入り、突然の休校になり、1か月もすれば、それも沈静化するのではないかと思われていたのですが、大都市を中心に感染者が増加傾向にあり、ついに外出にも自粛要請が出されるようになりました。中国武漢から感染者が出て、ずいぶん経過したように思います。今や海外への往来も事実上の閉鎖状態となりました。このような事態になって、グローバル時代のたよりなさを感じるようになりました。かっては、グローバルという言葉が称賛され、だれもが国境の壁を越えてモノや人が移動し、国外に経済的な拠点が構築されていきました。しかし、このたびの新型コロナウィルス感染症対策で、それらに制限が加えられた途端に、日本が他の国にいかに多くを依存しているかを思い知らされたことでした。そして、この感染症対策は、日本だけでなく、世界の各国がその対策に向かって相互協力しなければならない事態となっています。翻って日々の生活に目を移せば、どの店にもマスクが品切れ状態で入手が困難なことや、学校の休校が全国一斉に行われたために、子どもを家に残しては働きに出られない家庭、外食産業や観光産業のダメージなどはかりしれない影響が出ています。このような事態に何ができるのか、あらためて一人ひとりが考えなければならないと思います。せめて、自分が感染にかからないようにするための最大限の努力をしていく必要があります。先日山中伸弥先生が新型コロナウィルスについて、情報発信をされていました。その冒頭に「桜は来年も帰ってきます。人の命は帰ってきません」という言葉が印象に残りました。この言葉が代表しているように、今は我慢しなければならない時だと思います。自分自身がかからないようにすることだけでなく、無症状で人に感染する場合もあることを考えて行動することが大切です。家庭でじっくり落ち着いてできることを考えて自分で取り組んでください。部活動にも制限が加えられ、学校休校期間中は停止となりました。また、家庭生活においても密集、密室、密接をさけて行動してください。さらに、根拠のないデマが広がるおそれもあります。それに惑わされずに安易な判断をしないよう心がけてください。今は我慢をする時期と思い、次なるステップへの準備をしてください。それまで、みなさん、元気でお過ごしください。     (4月6日記)