「いろんな表現<香り>をこころのエネルギーに…」
~上橋菜穂子『香君』(文藝春秋出版)のお話をヒントに~
場所 多目的教室1 (管理棟3階)
講師 礒貝京子 (本校専任カウンセラー)
今年の夏は暑かったですね。体も心も疲れが出てくる時ではありますが、私たちが「さぁ、頑張ってやってみようかな」と思う時は、どんな時でしょうか?
「お子さんや〇〇さんのために頑張らなくては」「仕事や〇〇を頑張らないと」と思われる方もいらっしゃると思います。また、心の中で、「私は好きだから」「自分にとって意味があるからやってみよう」と、ご自身の心とのつながりの中で、頑張ろうと前向きになることもあるのではないでしょうか。私たちは、外側との他者や社会とのつながりと同じように、自分の心とのつながりもとても大事で、それが心のエネルギーに繋がると思います。
しかし、頑張りたいけど、「寂しいなぁ」「辛いなぁ」と思うことがあるかもしれません。
上橋菜穂子さんの『香君』の中に、「生き物はみな、寂しさを抱えている。だから、いつも<香りの声>を発しているのではなかろうか。自分では気づかなくとも、我が身から絶えず <香りの声>を発してしまうのでは…」という文が出てきます。
私たちは、1人1人が違うから自分だけの生き方があるのですが、反面孤独な面もあります。ここでは、孤独や寂しさゆえに、香りを発する意味が描かれています。私たちにとっての香りは、文字通り、「香り」の場合もあるかと思いますし、言葉だったり、表情だったり、自分でも意識してない行動に表れているのかもしれません。そして、それは、思春期のお子さんの場合、もっとわかりにくいこともあるかと思います。
ご自身やお子さんを含めた周りの人の<香り>にどのように理解し関わっていったらいいのか、それが、心のエネルギーにどのように繋がっていくのかについて、今回は、上橋菜穂子さんの物語をヒントにお話したいと思います。
礒貝京子 (臨床心理士)
保育士を6年経験した後、臨床心理学を大学院で学ぶ。
教育臨床・病院臨床で幼少期から老年期までのカウンセリングを行い、
大学や専門学校の非常勤講師を経て、2009年より本校専任カウンセラー。
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