かけがえなのない時と
出会いを大事に!

~「100万回生きたねこ」佐野洋子作・絵より~

今回は、絵本の「100万回生きたねこ」(講談社出版)のお話を紹介しながら、日常生活の中で大事にできたらと思うことについてお話します。

 

「100万回生きたねこ」のあらすじ…100万回生きては死ぬことを繰り返していたネコがいました。
王様、サーカス、船乗り…と飼い主はネコをかわいがりましたが、ネコは飼い主のことが嫌いでした。ある時、ネコは誰のネコでもない、野良猫になりました。ネコは「100万回も生きてきた」と言ったり、「サーカスの猫だったこともある」と宙がえりをしたり、周りのネコたちに自慢します。ネコたちは賞賛して(褒めて)くれますが、白ネコだけはその話に興味を示してくれません。ネコは白ネコを自分より好きになるくらい、大好きになりました。白ネコと一緒に子育てをし、2匹は年を取ります。白ネコが死んだ時、ネコは大泣きします。そして、ネコも動かなくなり、もう2度と生き返りませんでした。・・・というお話です。

「100万回も・・・」というのは、普段時間を意識しないで「まだ時間がある」と思った時の、私たちの日常が思いだされます。例えば、これから夏休みですが、前半は「まだまだ大丈夫」と思いますね。でも、あと数日で休みが終わるとなると焦ることも多いのではないでしょうか。私はテニスの試合で最後のプレーで「あと一歩出てたら負けてなかったかもしれない」と思うと、そのことがずっと心に残りました。それは、終わりがあることで感じる「かけがえのない時・プレー」の大切さです。ネコは100万回生きていた時は感じなかった、「かけがえのない時」を、大事な白ネコが死んだ時に感じたのでしょう。

ネコがみんなに自慢していたことは、私たちが「みんなに賞賛されたい」「みんなに認めてもらいたい」という思いに似ています。それは誰にでもある感情です。しかし、みんなに認めてもらうことより、白ネコをとても好きになり、一緒にいたい、と思いました。白ネコは、ネコにとって「かけがえのない相手」だったのでしょう。私たちにとっても、ここで、ネコが白ネコに抱いたような「一緒にいると楽しい」「好きだ」というあたたかい気持ちは、人が生きていく上ではとても大事な気持ちです。そして、「みんながわかってくれなくても、この人だけはわかってくれたら」という相手がいると生きていきやすいかもしれませんね。それは友達でも家族でも先生でもこれから出会う人の中にいるかもしれません。もし、見つからなくて、焦ったり、困ったりしたときは、カウンセリングルームで一緒に考えることもできますので、必要だったら利用してくださいね。


カウンセリングルームへの申込方法(カウンセリング、性格検査)(くわしくはパンフレットを見てね!)
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*相談場所 カウンセリングルーム1(科学館1階) カウンセリングルーム2・3(記念体育館1階)