暑さを乗り越え2学期へ

月さして 一間の家でありにけり  
村上鬼城

暑くて寝苦しい日々が過ぎ、2学期がはじまりました。上の句は、単純な句であるゆえに季節の移り変わりをしっかり感じる句のように思います。生徒は連日の猛暑のなかでも、多くの部活動で活躍が目立ちました。2学期の始業式の中で、次の話題を取り上げました。取り上げたきっかけは、6月の民法の改正によるものです。

2015年公職選挙法改正により、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました。また今年6月の民法の改正で、成人年齢が18歳に引き下げられることが決定しました。2022年4月1日から施行されます。146年ぶりの変更になるようです。今や高校の入学式に親がくるのは当たり前であり、大学の入学式にも親が出席するようになりました。このように親離れ、子離れができない状況がある中で、18歳で成人であるという気構えができるだろうかと思います。成人となれば、クレジットカードを作ったり、ローンを組んで高額商品を購入できるようになり、単独で法律行為が行うこともできます。昔は、元服(奈良時代以降、男子が成人になった事を示す儀式、普通は11歳~16歳の間で行われる)すると、社会的な責務を帯び、小さい子どもでも、立派な大人として、扱われることが多くありました。世界の成人年齢をみてみますと20歳を成人年齢としている国は、ニュージーランド、パラグアイ、台湾、タイと日本でしたが、このたびは世界の多くの国が18歳であるメジャーの仲間入りということになります。大人とは何か、あらためてしっかり考えていくことが大切であり、権利が拡大するだけでなく、それに伴い責任も拡大し、またさまざまな危険も潜んでいることなど学ばなければならないことも多くあると考えています。