「あきらめないこと」
~女性唯一の大名・清心尼の言葉から~
日本でラグビーのワールドカップが開催され、「あきらめない姿」に感動した人は多かったと思います。私たちは、日々の中で「いくら言っても聞いてくれない」
「一生懸命やっても、次から次へと困難なことが起こって、なかなか解決しない」という時、あきらめそうになることがあると思います。
今回は、そのような時のヒントになる言葉を紹介したいと思います。
それは「かたづの!」(中島京子作・集英社出版)に出てくる言葉です。「かたづの!」は、女性で唯一大名になり、遠野の国を整備して、実質統治した清心尼が、羚羊(カモシカ)の片角に向かってお話する物語です。
若き日の清心尼は、夫と子ども3人と幸せに暮らしていましたが、おそらく叔父の政治的な陰謀により、夫や息子の命を奪われ、様々な困難が降りかかります。しかし、その度に、争いをしないで粘り強く相手を説得し、遠野に追いやられても、遠野の国造りをしました。
そのような中、娘にも陰謀により先立たれてしまいますが、その子どもである孫が嫁入りする時に清心尼がかけた言葉です。
「親ならば誰でも、嫁ぐ娘に幸あれかしと願うものです。ところがこの世はままならぬもの、どんなに願っても、人は病や災難に見舞われる。幸いのうちに、平らかな日々を過ごしてほしいと願うのに、戦乱や陰謀に巻き込まれてしまうこともあるのです。(中略)わたしも、あなたの母君も、私自身の母も、苦しみを避けて通ることはできなかった。
だから、覚えておきなさい。不幸や禍はいつだって、あなたを丸ごと呑み込んでしまおうとするのです。
けれども、あなたを呑み込もうとする禍が降ってきた時には、ただただそれに身をゆだねてしまわずに、知恵を絞って考えてください。禍にのみこまれずに抗おうという強い思いがあれば、必ず、向かうべき道がみえてくるものです。大事なのは、あきらめないことです」
私たちは、目の前に大きなことや困ったことが起きると、その力や流れに呑み込まれそうになることがあると思いますが、「あきらめないこと」で、道が見えてくることがあると思います。もし、困ったことに呑み込まれそうになったり、あきらめそうになったりすることがございましたら、カウンセリングルームをご利用ください。ご息女を一緒に支えていきたいと思います。
*カウンセリングルームへの申込方法(くわしくはパンフレットを見てください)
電話0798-47-6436
(交換が出ますので、「カウンセリングルームに」とおっしゃってください)
*家庭教育講座案内
2020年1月30日(木曜) 13時30分~15時30分
「好きや嫌いは生きるヒントの宝箱」~思春期・青年期の好きや嫌いの意味~
*場所 : 図書館棟4階 AV3