10月5日「校祖の日」の行事

秋雨や 紫苑傾く 水の上   
原(はら) 石(せき)鼎(てい)

今年は雨が多く、9月から10月にかけても、晴れの日が少なくなっています。気温も朝晩と昼間の温度差が大きく、調節が難しい状況です。そのような中でも、秋の深まりを感じる毎日です。農家では、稲刈りの最終を迎えています。

1981年(昭56年)の9月6日、武庫川学院の校祖、公江喜市郎先生がご逝去されました。あれから37年の月日が経ちました。ご逝去(せいきょ)の10月6日には、「学院葬」が行われ、学院では、その日を「校祖の日」と定め、先生のご偉業、ご成徳をお偲びし、先生が掲げられた「高い知性、善美な情操、高雅な徳性」の立学の精神を具現化するために、学院あげて一層努力を誓う日としています。

今年は、10月5日に「校祖の日」の諸行事を行うこととなりました。大学中央キャンパス本館1階には、「水澄み山静かにして風濤(ふうとう)偕(とも)に和す」のレリーフが掲げてあります。この言葉の中にも、校祖の教育信念が託されています。先生の教育観について紹介します。①静的教育を改め機能的教育を実践すること。②生徒の自主性を重んじる教育をすること。③真理を与えるより、真理を探求する方法を教えることです。この教育観は今の教育にも通じる普遍的なものであります。公江喜市郎先生は高遠な教育理想と重厚な人格、烈々たる教育愛、非凡なるご才腕により、今日の女子総合学園への基盤を構築されました。「若い生命は常に希望に燃えていなくてはならない。現実をよく踏まえて、理想を高く掲げることは、青年男女いずれにも望まれることである」あらためて、創立者の考え方、精神に思いをいたす日としたいと思います。

*紫苑(しおん)はキク科の多年草