『新たな場で、自分の芽を出し、
新しい自分を創ってみよう』

~「泣き虫ハァちゃん」のお話から~

 

新しい年になりましたね。今年は新たに挑戦してみよう!と思われることもあるかもしれないですし、新しいからどうなるかわからないといった不安や迷いも出てくるかもしれないですね。
そのような時、どうやって乗り越えていけるかについて、「泣き虫ハァちゃん」(河合隼雄著、新潮文庫)の本をヒントにお話したいと思います。

主人公のハァちゃんは幼稚園。どんぐりころころの歌が大好きです。しかし、どんぐりころころの歌の意味を考えていると、「どんぐりさんがおうちに帰れない」とどんぐりの心配をして泣いてしまいます。
そこに、ハァちゃんのお兄さんがお話してくれます。「はぁちゃん、どんぐりさんはおうちに帰らんでもええんやで。・・・どんぐりさんはな、そこで芽を出して、どんぐりの木になるんやで。・・・山道のところに、大きい木があって、あそこにどんぐり拾いに行くやろ。あれは、どんぐりの木で、あの木も元々はどんぐりの実や。実から芽が出て、だんだん大きくなって、それであんな木になるのや。せやから、どんぐりころころは、別に家に帰らんでもええんや。・・・家に帰らんでも、そこで頑張って木になったらええんや」・・・ハァちゃんはだんだん話がわかって、もう泣いていませんでした。お池にはまって、どじょうを困らせていたどんぐりがだんだんと大きい木になっていくのが見えるような気がしました。というお話です。

私は中学と高校は別の学校でしたが、高校に入ってすぐは、「中学の時に帰りたいな」と思ったことがあります。私たちは新しいことに慣れなかったり、前のことが楽しかったりすると、そこに帰りたいな、と思うことがあるかもしれませんね。でも、だんだん慣れてきたり、新しい出会いや経験をしたりするうちに、どんぐりが新しい場所で、根を張って、芽を出して、木になったように、私たちも、新たな場で、また自分を表現したり、新しい自分を創っていったりすることができると思います。
今年になって初めて話した友達、新たなグループとの出会い、また、3年生は卒業して大きく環境が変わる人もいますが、新しい場で、自分を信じて、そこで根を張って、芽を出して、自分を創っていってください。
それでも、もし、うまくいかないなと思ったり、悩んだら、周りの人やカウンセリングルームに相談してくださいね。


どんぐりころころ

1番

どんぐりころころ どんぶりこ
お池にはまって さあ大変
どじょうが出てきて こんにちは
ぼっちゃん 一緒に遊びましょう

2番

どんぐりころころ 喜んで
しばらく一緒に 遊んだが
やっぱりお山が 恋しいと
泣いては どじょうを困らせた

 

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*相談場所 カウンセリングルーム1(科学館1階) カウンセリングルーム2・3(記念体育館1階)